【登場キャラと台詞数】 言乃葉イッサ(20)、神代リコ(45)、銀河アキラ(25)、神代ミツバ(15)、大地べるの(11) 川崎カヤコ(17) 【シーン01:OP】 (風の音) (街を見下ろす高台に、眼鏡の青年・イッサと、銀髪の少女・アキラがいる) イッサ/i01:「どうですか、何か聞こえます?」 アキラ/a01:「ダメだ、なんにも聞こえやしねぇ。こりゃ、街に逃げ込まれたな。」 イッサ/i02:「逃げ込まれたな。…ってそれでほっとくわけにもいかないでしょーに」 アキラ/a02:「うるっせぇなぁ、わかってるよ!…仕方ない、地道に探すか。ったく、面倒くせぇなぁ…」 イッサ/i03:「元はと言えば、アキラくんが捕まえ損ねたのが原因なんですからね」 アキラ/a03:「はいはい。イッサだってミスってただろーが」 (2人、やいやい話しつつその場から去っていく) (風の音) ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 【シーン02:リコとアキラ】 (ちゅんちゅんスズメが鳴く音/朝) (リコ、学校へ向かって歩いている) リコ/r01:「ん〜、いい天気だなぁ。こんな天気の日はいい事が有りそう〜」 (リコ、てくてく道を歩いていてふと立ち止まる) リコ/r02:「あれ、なんか変だなぁ。この辺って、いつもこんなに人がいなかったっけ。…まいっか。」 (また歩き始める) (歩いていて、道端に黒ローブを着た少女(アキラ)がいる場所を通り過ぎる) リコ/r03:「ふーん、黒ローブって本当に着てる人いるんだー。初めて見たー。…って、黒ローブッ!?」 (リコの声でアキラ、振り向く) アキラ/a04:「あ。ちょーど良かった。おい、そこの女子高生。お前、この辺でガキ見なかったか? こんくらいのガキなんだけどさ。」 (こんくらい、で手で背丈を示す) リコ/r04:「は、はい!?あ、あたしっ!?」(振られて驚く) アキラ/a05:「…お前以外に誰がいんだよ」(呆れて) リコ/r05:「い、いや、そうだけどっ!…な、なんでそんな格好…なの?」 アキラ/a06:「お?これか?…ふっ、あたしは魔術師さ。正義の味方が悪人退治にこの街に来た、ってわけだ!」 (不敵に笑ってびしっと言う) リコ/r06:「は、はぁ………変な人だわ、この子。やだなぁ、関わりあいになりたくないなぁ…」 (後半、ぼそっと/音量は普通で構いません) アキラ/a07:「何か言ったか?」 リコ/r07:「な、なにも!え、えーと、悪人って…?」(ごまかすように言う) アキラ/a08:「ふふん、特別に教えてやろう。超★性質(ちょう・たち)の悪い異能者だ。 この辺に潜んでるみたいだから、お前も気をつけた方がいーぜ」 リコ/r08:「は、はぁ…いのうしゃ?…気をつけます、よくわかんないけど」 (駆ける足音) イッサ/i04:「あ、アキラくん!こんなとこで何してるんですか!」(慌てた感じ) アキラ/a09:「おー、イッサか。ちょうど良かった。今こいつにこの辺のことを聞いて…お?アレ??」 (リコ、いなくなっている。きょろきょろと辺りを見回す) リコ/r09:「あ、あの、私、学校があるんでこの辺でっ!じゃあ!!」 (いつの間にか離れた所に移動している/駆け去る) アキラ/a10:「あ、おい、こら待て!!………あいてっ!!」 (後半、軽くぺちん!という音/イッサ、アキラにでこぴん) イッサ/i05:「アキラくん、何してるんですか!そんな怪しげな格好したまま一般市民に聞き込みしたら、 まーた警察にご厄介になることになるでしょーが!!」 アキラ/a11:「まあ聞け、メガネ。」(おでこさすりつつ) イッサ/i06:「メガネじゃないです、イッサです。」(きっぱり/メガネを上げつつ) アキラ/a12:「聞けって。…あのな、あたしはここら辺一帯に結界をはっといたんだよ。 その一般市民とやらに邪魔されたくなかったんでな。」 イッサ/i07:「あぁ…そういえばこのあたり、よく見たらあからさまな魔法陣があちこちに描いてありますね。 後でちゃんと消しとくんですよ。この辺の人のご迷惑になりますから。」 アキラ/a13:「う…わかってるっての!…と、ともかく、普通の人間じゃあたしに気付かないハズだったんだ。 でもあいつ、あっさり結界内に入ってきやがった。つまりは同業者かと思ってさ。 …もしくは、あたし達が追ってる"あいつ"の仲間か。」 イッサ/i08:「あの子なら気付かず結界に入ってしまうことも有り得ると思いますが…あの子は違いますよ。」 アキラ/a14:「お?知り合いか?」 イッサ/i09:「…まあ、ちょっとした昔馴染みです。あちらは気付いていないようでしたけどね。 …それより、痕跡は有りましたか?」 (それ以上聞かれたくない様子で話題を変える) アキラ/a15:「あぁ、らしいのは有ったな。多分この近くに潜んでるんじゃないか?」 イッサ/i10:「よりにもよってこの街に異能者が逃げ込むとは…変な刺激を与えてマガツヒノカミを起こさないと いいんですけど…」 アキラ/a16:「マガツヒノカミ…古代に封じられた災厄の神か。…ったく、厄介なとこに逃げ込みやがって。 とっとと見つけてシメよーぜ」 イッサ/i11:「…アキラくん、君はもうちょっと穏便なもの言いをできないんですか…」 (足音/二人立ち去る) ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 【シーン03:学校】 カヤコ/k01:「リコ、おはよー!…あれ、どうしたの?なんか疲れた顔してるけど」 リコ/r10:「あ、カヤちゃんおはよー…えーとね、黒ローブが…いや、やっぱりいいわ」(疲れた感じ) カヤコ/k02:「くろろーぶ?それってウワサの「放課後の魔術師」じゃない?」 リコ/r11:「…何よ、そのいかにも怪しい感じのウワサは」 カヤコ/k03:「ふふーん、知りたい?じゃ、特別に教えてあげてもいっかな〜」 リコ/r12:「ううん、知りたくない。」(きっぱり) カヤコ/k04:「最近放課後にね、魔術師が出るってウワサなのよ!」(聞いてない感じで) リコ/r13:「カヤちゃん、聞いてないね。ていうか、そのままだね。」 カヤコ/k05:「まー、続きがあるんだって。なんかねぇ、遅くまで学校に残ってると黒い服の魔術師が現れて、 願い事を叶えてくれるんだってさ!」 リコ/r14:「うわー…うさんくさいなぁ…」 カヤコ/k06:「…てことで、リコ。一旦家に帰って、深夜0時(れいじ)に正門前集合ね。」 リコ/r15:「ふーん、深夜0時に…って、ええっ!?」 カヤコ/k07:「やー、ちょうど誘おうと思ってたのよね。リコから謎を解明したいと言ってくれるなんて、 あたし嬉しいわ。」 リコ/r16:「いや、言ってないし。」 カヤコ/k08:「あんたの熱意、確かに受け取ったから!」 リコ/r17:「カヤちゃん?もしもし?」 カヤコ/k09:「あ、そうそう、おやつは300円までだからね!ちなみにバナナはおやつに入りません。 りぴーと・あふたーみー。」 リコ/r18:「バナナはおやつに入りません。…じゃなくて、カヤちゃん、えーと…」(リピートした) カヤコ/k10:「ほんとに魔術師見つけたら仲良く半分こだからねっ!あ、リコが先に願い叶えてもらってもいいけど。」 リコ/r19:「…だめだ、聞いてない。」 ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 【シーン04:リコとミツバ】 (放課後/リコ、自宅へ帰る) (玄関のドアをばたん、と閉める音/ぱたぱたと足音) リコ/r20:「なーんか今日は変な日だったなぁ…」 ミツバ/m01:「何が変な日だったんだい?」 リコ/r21:「わっ!?…あ、ミツバお兄ちゃん!来てたの?」(前半驚き/後半は嬉しそうに) ミツバ/m02:「うん、前の家への荷物が届いてたからね。それを届けに来たんだ」 リコ/r22:「もー、電話してくれれば取りに行ったのに!」 ミツバ/m03:「ははは、ごめんごめん。…ちょっと、様子も気になってたしさ。新しい学校には慣れた?」 リコ/r23:「うん、大丈夫。結構楽しくやってるから」 ミツバ/m04:「…おじさんとおばさんが亡くなってからもう1ヶ月か…早いもんだね。」 リコ/r24:「…うん。」 リコ/r25:「ミツバお兄ちゃんは…さ。どうしてここまで良くしてくれるの? お父さんとお母さんが亡くなって困ってた私に、新しい家も、学校も… ただの親戚だってだけなのに。」 ミツバ/m05:「…さて、なんでだろうね。…あぁ、そろそろ家に戻らないと。」 リコ/r26:「え〜、もうちょっとゆっくりしてってくれてもいいのに」 ミツバ/m06:「仕事の合間にちょっと抜け出して来たんだ。また近い内に来るから」 リコ/r27:「…そっか、じゃあしょうがないね」 ミツバ/m07:「それじゃ、僕は帰るけど…困ったことが有ったらいつでも言ってくれていいんだよ。 僕がいない時は神代(かみしろ)の家の人に伝えてくれればいいから」 リコ/r28:「うん…ありがとう」 (足音/ミツバ、リコの家を出る) ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 【シーン05:ミツバと2人】 (足音、段々ゆっくりになり、止まる) ミツバ/m08:「…盗み聞きとは感心しないな、銀河アキラ。」(声の雰囲気が変わる/冷たい感じで) (着地音/屋根の上にいたアキラ、降りる) アキラ/a17:「はっ、偶々通りかかったら聞こえただけだぜ?」(悪びれてない) ミツバ/m09:「大方、そこのコトノハ使いに言われて調べていたんだろう?ねぇ、言乃葉イッサ。」 イッサ/i12:「…気付かれましたか。」 ミツバ/m10:「電柱の影からそう見られちゃね。通りがかりの子どもが不審な目で見てるじゃないか。」 イッサ/i13:「あ、怪しい者ではありませんので。」(後ろ振り向いて子どもに言う) アキラ/a18:「…ちびっこ、悲鳴上げて逃げてったぞ。」 イッサ/i14:「…こほん。と、ともかく…当主(とうしゅ)に無断で、今度は一体何を企んでるんですか、ミツバさん。」 ミツバ/m11:「一体なんのことだい?」(わざとらしく聞く) アキラ/a19:「とぼけんな!今、あたしらが追ってるヤツだってお前がなんか企んで動かしてるんだろうがッ!」 ミツバ/m12:「人聞きの悪いことを言うね。第一、そんな証拠なんてないだろう?」 アキラ/a20:「てめぇ…!」 (アキラ、前に出ようとした所をイッサに制される) イッサ/i15:「ミツバさん。あなたが何を企んでいるかは知りませんが、あの子にだけは手を出さないほうがいいですよ。 これは、忠告です」 ミツバ/m13:「なんで君がそんなことを気にするんだ?…あぁ、そうか。そういえばそうだったな」 (後半、一人納得した風に) ミツバ/m14:「僕は何も企んでなんてないよ。…そう、困ってる子を助けたのもただの親切心さ」 (笑顔で言いつつ、ちらりとリコの家の方を見る) ミツバ/m15:「じゃ、せいぜい"仕事"を頑張ってくれよ。できそこないのコトノハ使いに魔術師くん。」 (からかうように言ってミツバ、去る/足音) アキラ/a21:「ぜーったい、アレ、なんか企んでるよな。」 イッサ/i16:「…まあ、案の定、って所ですかね。 仕方ない、手がかりは少ないですが、もうちょっとこの辺を探してみましょう」 ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 【シーン06:放課後の魔術師】 (懐中電灯を持ってリュックを持ったカヤコ、校門前に仁王立ちしている) カヤコ/k11:「よーし!全員揃ってるわね!」 リコ/r29:「二名だけだもん、一目瞭然だよ。…ていうか、本当に忍び込むの?怒られるんじゃない?」 カヤコ/k12:「だいじょーぶだいじょーぶ!今更やめるなんて言わないでよ?この為におやつかっきり300円分 買ってきたんだから!」 リコ/r30:「…本当に持ってきたんだ。」(呆れて) カヤコ/k13:「大丈夫、あとで分けてあげるからさ!」 リコ/r31:「…いや、そういうことじゃなくてね…」 (カヤコ、聞いてない/足音) カヤコ/k14:「ここ、ここ。この窓って鍵が壊れてるんだよね〜。よっ、と」 (かちゃ、と鍵が開く音、窓を開ける音) (カヤコ、窓枠を乗り越えて廊下に下りる/すたっ、と着地音) リコ/r32:「ねぇ、やめようよ。願いを叶えてくれる魔術師なんて、ほんとにいるわけないじゃない」 (リコも窓枠を乗り越えて廊下に下りる/同じく着地音) (2人の足音/歩きながら話している) カヤコ/k15:「リコは夢がないなぁ…ダメだよー、夢はでっかく持たないと!」 リコ/r33:「夢とかそういう問題じゃなくてさぁ…ちょっと待って。誰か居る…!」 (廊下の先にべるの、人形を抱えて居る) べるの/b01:「あれあれ、おねえちゃん達、夜なのになんで学校にいるんですの?」 (楽しそうに) カヤコ/k16:「なんだ、ちっちゃい子じゃない。あなたこそどうしたの?」 べるの/b02:「べるのは探し物をしてますの。この学校にいるって聞いて、もし見つけたら遊んでいい、って言われましたの。」 (薄笑いを浮かべた感じで) リコ/r34:「ねぇ、カヤちゃん、この子なんか変じゃない…?」 (不審に思ってこっそりカヤコに言う) べるの/b03:「まさか直接会いに来てくれるなんて思いませんでしたの。…ねぇ、神代リコ!!」 (後半口調が変わる/同時に壁を破壊する音・土塊でできた人形のようなものが現れる) カヤコ/k17:「…っ!リコ、危ない!!…きゃあっ!!!」 (カヤコ、リコを突き飛ばす/カヤコ、土塊人形に吹っ飛ばされる/殴り音、倒れる音) (リコ、駆け寄ってカヤコを揺する) リコ/r35:「カヤちゃん!?カヤちゃん!!しっかり、しっかりして!!」 べるの/b04:「なんで"力"を使わないんですの?それじゃあ面白くないですの。これじゃあ、べるのの《ツチクレ》で潰したら 終わりですの!きゃははははっ!」 (壊れた感じで楽しそうに笑う) (土塊人形、リコに手を伸ばす/リコ、思わず叫ぶ) リコ/r36:「わ…私に触らないでっ!!」 (ぎっ!、と何かが軋む音/土塊人形、動きを止める) リコ/r37:「…っ!」 (リコ、走り出す) (べるの、リコを見て笑う) べるの/b05:「ふっ…あはははっ!《コトワリ》の能力者、みーつけたっ!これでご主人様に褒めてもらえますの!」 (走る音/走りながらリコ、考える) リコ/r38:「今…なんであの人形は止まったの?…と、ともかく逃げなきゃ!助けを呼ばなきゃ、カヤちゃんが…!!」 (大きな破壊音/土塊人形とべるの、リコの前方から現れる) リコ/r39:「きゃあっ!!!」 べるの/b06:「酷いですの、お姉ちゃん。あたしと遊んでくれませんの?」 (べるの、ゆっくりと近づいてくる/足音) リコ/r40:「あ…あなた、何者なの…?」 べるの/b07:「ふふっ、べるのは選ばれた子…"異能者"(いのうしゃ)ですの。 コトワリ使いのリコお姉ちゃん、べるのと一緒に遊びましょ?」 (と、イッサの声が響く) イッサ/i17:「コトノハを以って命ず、《土塊》(つちくれ)よ、あるべき姿へと戻れ!」 (ぼごっ!と大きな破壊音がして、土塊人形の片腕が破壊される) べるの/b08:「な、なんですの!?あたしの人形が…ッ!!」 リコ/r41:「あ、あなた…今朝会った…」 イッサ/i18:「大丈夫ですか、神代リコさん。間に合って良かった」 リコ/r42:「なんで…私の名前、知ってるの…?」(きょとん、と) (イッサ、リコの質問には答えずべるのの方に向き直る) イッサ/i19:「いけませんね、大地べるの。隣街で僕達の仲間を殺した上、今度は一般人にまで手を出すつもりですか?」 べるの/b09:「…ふん、うるさいですのッ!!腕一本壊されたくらいであたしの《ツチクレ》は…」 (べるのの台詞にかぶってアキラの声) アキラ/a22:「疾く(とく)来たれ、風の申し子(もうしご)、空より来るもの、雷を纏いしもの(まといしもの)、 オーディンの槍!」 (大きな雷音/雷の矢が土塊人形に当たり、人形が倒れる。大きな物が倒れる音) アキラ/a23:「はっ、残念だったな。腕一本じゃ済まなかったみたいだぜ?」 リコ/r43:「あー!そっちは今朝見た黒ローブ!!」 アキラ/a24:「黒ローブって言うな!!!」 べるの/b10:「あ…あなた達はなんですの!?この街に、こんなヤツらがいるなんて聞いてないっ!!」(ヒステリック気味に) べるの/b11:「覚えてなさい!次会った時は痛い目にあわせてやりますの!」 (たたたた、と小走りの音/べるの逃走) アキラ/a25:「あッ!逃げるな!待てー!!!」 (走る足音/アキラ、追う) リコ/r44:「あなたは…あなた達は、何者なの?」 イッサ/i20:「僕達は異能者…人と違う力を持つ者です。…そうですね、《コトノハ使い》と呼ばれていますよ」 リコ/r45:「コトノハ使い…?」 (次回に続く) 【更新履歴】 07/12/01 おやつ価格が間違ってたのを修正