==================================================================================================== ラジオドラマ「日雀堂妖怪日誌」(ひがらどう ようかいにっし)/第二話「妖怪大戦争・ごく一部」 脚本/さのや ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 【概要】 なんだかんだ言っても妖怪達との生活に順応している立花。 ある日、日雀堂にやってきた近所の女性・三浦桂に、三毛猫探しを依頼される。 しかし、三毛猫のミケは猫又だった。家出したミケと野良猫同士の小さな妖怪戦争を 力づくで解決してしまう立花。立花の強さに惚れてしまう猫又のミケ。 こうして日雀堂常連の妖怪がまた一匹増えたのだった。 【脚本中記号について】 「」…キャラのセリフ(括弧なしはモノローグだと思っていただければ!) ()…状況説明・セリフの演技指定 ※ …前後の状況説明など 【他】 ・セリフの方は言い辛ければ言いやすいように語尾・言い回しを変えていただいて構いません。 【キャラクター】 日雀立花(ひがら りっか)(セリフ数:41)  15歳/高校生/声質:元気の良い、中〜高の少女声  両親の海外出張を機に一人暮らしを始めた学生。  祖父の経営していた古道具屋「日雀堂」へと越してくる。  ツッコミ。順応は早い。親御さんに甘やかされてたのか結構ワガママっ子。 日雀慧士(ひがら けいし)(セリフ数:33)  外見10歳くらい/男の子/鏡の付喪神(つくもがみ)/声質:少年or子ども声  主人公の住むことになる「日雀堂」に住み着いている妖怪少年。マイペース。  無機物と話すことができる特技を持つ。  100円ショップで買い物するのが趣味。 楠はるか(くすのき −)(セリフ数:10)  外見20代/女性/妖狐/声質:低〜高の女性の声  日雀堂の常連さんで、主人公の高校の非常勤講師。だが妖孤。  実は「狐流 遙」(こりゅう はるか)というPNで歴史小説作家もやってたりする。  狸嫌いらしい。 相原幸(あいはら こう)(セリフ数:10)  外見15歳くらい/男性/天狗/声質:中〜高の少年声  白い羽を持った少年。天狗だが天使だからしい。  昼寝が大好きで日雀堂の縁側でよく勝手に昼寝している。  高校生の振りをして学校に通ってるが授業中も寝ている。何の為に学校にいるのか。  主人公のクラスメイト。歌とフルートが得意らしい。 ミケ(セリフ数:19)  成猫/オス/猫又/声質:男性声or子ども声  かわいらしい三毛猫。近所のボス。実は長く生きている猫又で、喋ることができる。  よく外泊をしては飼い主に心配されている。 三浦桂(みうら けい)(セリフ数:6)  成人/女性/人間/声質:おっとりした女性声or少女声  日雀堂の近くに住んでいる女性。ミケの飼い主。猫好きな美人。  ※担当する方によっては少女でもいいかもです。 ==================================================================================================== シナリオ本文 ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 立花/r01:日雀堂妖怪日誌 第二話「妖怪大戦争・ごく一部」 (※タイトルコール) (※朝の通学路。立花、通学路を慌しげに全力疾走中) 立花/r02:「やばっ、遅刻しちゃうよ!もう、こんなことなら深夜の通販番組なんて見てないで寝れば良かったー!」 (走っている途中、塀の上にいる猫と目が合う) 立花/r03:「あ、猫。猫はいいなぁ、学校とかないもんね。」 (猫、立花に話しかける) ミケ/m01:「いい天気だなぁ、嬢ちゃん。」 立花/r04:「…え?な、何?」 (思わず立ち止まる) (遠くから慧士の声) 慧士/k01:「立花さん、お弁当!お弁当忘れてますよー!」(後からぱたぱたと追いかけてくる) 立花/r05:「あ、ホントだ。ごめーん!ありがと!」(慧士からお弁当を受け取る) 立花/r06:「…って、あれ?さっきの猫は?」 慧士/k02:「どうかしたんですか?」 立花/r07:「あのね、さっき猫が喋った…ような気がしたんだけど、気のせいだったのかなぁ?」 慧士/k03:「やだなぁ、立花さん。喋る猫なんているわけじゃないですかー。妖怪変化じゃあるまいし。」 立花/r08:「喋って動ける鏡の妖怪変化が言わないでよ。…あー!そうだ、学校!遅刻しそうなんだった!       じゃあね!行ってくる!」(慌しげに走り去る) 慧士/k04:「いってらっしゃーい」(のん気に見送り) -------------------------------------------------------------------------------------------------- (放課後、立花帰宅してくる。) (効果音:引き戸) 立花/r09:「ただいま〜。もう、今朝はホント、遅刻するかと思った…」 はるか/h01:「おかえりなさい。そうねぇ、立花ちゃんはもうちょっと早く家を出た方がいいわねぇ。        出席を取る時、いつも心配してるのよ?」 幸/a01:「んー…早寝早起きが一番だよ…」(寝ぼけた感じ) 立花/r10:「2人ともまた来てるの?うちは妖怪の寄り合い所じゃないんだからね!」(呆れた様子) 慧士/k05:「いいじゃないですか、あんまりお客さんも来ませんし。ねー、急須?」 (同意を求めるように急須に話しかけてる) 立花/r11:「…なに、それ」(怪しいものを見た感じで) 慧士/k06:「100円ショップで買った新入りさんです!この子も100年も経てば僕の仲間に…ふふふふ〜」 (夢いっぱいな感じで/楽しそう) 立花/r12:「あぁ、長く大切にされた道具は妖怪になっちゃうのよね。つくもがみ…だっけ?」 慧士/k07:「そうです!だから今から仲良くしておくんですよー」(にこにこにっこりと) 立花/r13:「100円ショップで買ったものがそんなに持つと思えないけど…」(呆れてる) はるか/h02:「あらまあ、慧士くん。夢があっていいわねぇ」(小さい子を見守るお姉さん的) 幸/a02:「仲間が増えるのかぁ…いいなぁ」(そしたら楽しそうだなぁ、的にのんびりと) 立花/r14:「ったく。増えたってうちでは飼いませんからね!」(お母さん風) 慧士/k08:「えー、おやつもあげますし、散歩も連れてきますからー」 幸/a03:「…ええと、犬じゃないんだから、さ」(ツッコミ) (と、玄関の方に来客が。) (効果音:引き戸を叩く音) 桂/mk01:「あの〜」 (効果音:引き戸) 慧士/k09:「あ、いらっしゃいませ!…はっ、キレイな人です!!」(衝撃を受けた感じ) 桂/mk02:「すいません、この近くに住む三浦という者なのですが…」 (用事を切り出そうとしている) (慧士、赤面しつつ美人来店に舞い上がっている) 慧士/k10:「い、いらっしゃいませ!よ、良かったらお茶でも!あの、あの、今、座布団用意しますからっ!!」 桂/mk03:「あ、あの…ごめんなさい、お買い物に来たわけじゃないんです」(困っている) 慧士/k11:「えぇ、えぇ!だいじょぶです!お買い物じゃなくとも!お茶とか、お話だけでも!!」 (ちょっと離れた所で立花達、話している) 立花/r15:「…何、アレ」(呆れた感じ) はるか/h03:「あぁ…慧士くん、美人に弱いのよ。鏡だからかしらね〜」 幸/a04:「きれいな人を見るとああなっちゃんだよね…ふわぁ…」(あくびしつつ) 立花/r16:「ふーーーん。」(トーン低め&長めに。何故かちょっと不機嫌そう) 桂/mk04:「ええと、私、猫を探しているんです。 うちの飼い猫がいなくなっちゃって、もう一週間も帰ってこなくて… ミケ、っていうオスの三毛猫なんですけど、もし見かけたら連絡をいただけると助かります」 立花/r17:「…な、名前、そのまんまね」 慧士/k12:「猫ですか!わかりました!見つけたらすぐにいそいで連絡します!安心してください!!」 桂/mk05:「ありがとうございます。よろしくお願いしますね」(にこ、と笑うと去っていく) (効果音:引き戸) 慧士/k13:「ふわぁ…素敵にキレイな人でした…久々に目の保養になりました…」(うっとり) 立花/r18:「…なんか、私が最初に来た時と随分対応が違うじゃない。」(ちょっと不満げ) 慧士/k14:「え?…えーと、気のせいですよ。」(確信犯的) (間) 慧士/k15:「さて、皆さん。今からお出かけしますよ!猫を探しに行くのです!」(大はりきり) 立花/r19:「え?さっきの人が言ってた猫?わざわざ探しに行くの?」 慧士/k16:「こ、困ってる人を助けるのは当たり前じゃないですかー!!」 立花/r20:「…うさんくさいわね。」 立花/r21:「ま、いっか。ちょっとくらいなら付き合ってあげるわよ。はるかさんと幸くんも行くでしょ?」 はるか/h04:「そうねぇ、偶にはこういうのも面白そうだし」 幸/a05:「うん、楽しそう〜」 慧士/k17:「じゃあ決まりです!三浦さんの為に、がんばりましょうね!」(ぐっ、と) -------------------------------------------------------------------------------------------------- (間) (効果音:足音(複数)) (4人、猫を探して歩いている) 慧士/k18:「ミケさーん!」 立花/r22:「みーけー。」 はるか/h05:「ミケちゃーん?」 幸/a06:「ミケ太郎〜」 (いろいろ呼んでみている) 幸/a07:「猫、いないね〜…」 はるか/h06:「このあたりにはいないのかしら…」 (効果音:足音) (効果音:猫の鳴き声) 慧士/k19:「あ、三毛猫さん発見です!」 立花/r23:「え、どこどこ?…って、あー!今朝見た猫!」 ミケ/m02:「おっと、嬢ちゃん。また会ったな。」 立花/r24:「わぁ!ま、また喋った!?」 ミケ/m03:「そう驚くなよ。俺は数百年生きてる猫…つまり猫又なんだ。人の言葉を喋るのくらい朝飯前さ」 はるか/h07:「あら〜、じゃあお仲間ねぇ」 立花/r25:「やっぱり妖怪変化じゃない…この辺の妖怪率、絶対おかしいよ…」(妖怪の多さにがっくりきている) 慧士/k20:「あ、あの…三毛猫さんってもしかしてミケさんですか?」 ミケ/m04:「あぁ、そうだが…なんで俺の名前を?」 慧士/k21:「飼い主の三浦さんが心配して探してましたよ!すぐに家に帰ってあげてください!」 ミケ/m05:「桂(けい)のことか。でも、今はダメだ。」 慧士/k22:「えぇ!?どうしてですか!?」 ミケ/m06:「数日前、この近所に余所からの猫が来てな。今は縄張り争いの真っ最中だ。       その決着がつくまでは俺は家に帰るつもりはない。」 慧士/k23:「で、でも…」 ミケ/m07:「止めないでくれ、坊主。男には戦わなければいけない時がある。今がその時なのさ…」 慧士/k24:「…はぁ。」 立花/r26:「あ、じゃあさ、飼い主さんの所に戻って、日中の間だけ縄張り争いすれば?」 ミケ/m08:「そーいうんじゃダメなのっ!…ったく、嬢ちゃんは男の美学がわかってねぇな!」 立花/r27:「猫に言われてもね…」 幸/a08:「美学かぁ、かっこいいー」 立花/r28:「感化されるな!!」 ミケ/m09:「ともかく家には戻れない。桂にはそう伝えてくれ!」 (ミケ、去っていく) 慧士/k25:「あ!ミケさん!!」 はるか/h08:「あらまぁ、逃げられちゃったわねぇ」 立花/r29:「あー、もう!追うわよ!!」 -------------------------------------------------------------------------------------------------- (追いかけていくと複数の猫の鳴き声。ミケが野良猫と戦っている) 慧士/k26:「わわ、ミケさんが野良猫さんとケンカしてますよ!!」 ミケ/m10:「…な…ついてきちまったのか!気安く戦場に近づくんじゃねぇ!!」 立花/r30:「戦場に近づくんじゃねぇ、じゃないわよ!人に心配かけるんじゃないってのー!!」 (ぺちぺちぺち、っと野良猫とミケ、蹴散らされる) (野良猫、逃げていく) ミケ/m11:「あいつを一撃で…!すげぇ、嬢ちゃんすげぇ!!」 立花/r30:「すげぇ、じゃないわよ!帰るわよ!」 ミケ/m12:「は、はい…」(思わず従った) はるか/h09:「立花ちゃんが一番強いわねぇ」 幸/a09:「すごいなぁ、ボスみたいー」 慧士/k27:「そりゃそうですよ。立花さんは日雀堂のボス…つまり店長ですもんね!」 (自分のことみたいに誇らしげ) 立花/r31:「だーかーらー、店長じゃないってば!」 立花/r32:「さ、ミケも無事保護したし、三浦さんにさっさと返してあげよ。」 -------------------------------------------------------------------------------------------------- (次の日の日雀堂) 慧士/k28:「昨日は良かったですねー、ミケさんが無事に見つかって。       桂さんにも喜んでもらえましたし」 立花/r33:「私はまた近所に妖怪がいることがわかって疲れたけど。       ま、三浦さんにお礼にお菓子もらっちゃったし、いいか。」 (なんだかんだ言いつつお菓子をもらえたのでほくほくと) (猫の鳴き声) ミケ/m13:「おはようごぜぇやす!」 慧士/k29:「あ、ミケさん。おはようございまーす」 立花/r34:「あ、おはよー。…また家出してきたんじゃないでしょうね?」 ミケ/m14:「滅相もございやせん!昨日はお世話になりやした。       今日は折り入ってお願いがあって来たんで!」 慧士/k30:「お願い…ですか?」 立花/r35:「何よ、お願いって。」 ミケ/m15:「姐さん!俺を姐さんの舎弟にしてくだせぇ!」 立花/r36:「はぁ!?」 ミケ/m16:「昨日の姐さんの戦いぶりに惚れちまいまして!お願いしやす!」 立花/r37:「ちょ、ちょっと…そんなこと言われても困るし!」 慧士/k31:「わぁ〜、じゃあじゃあ、ミケさんも日雀堂で働きますかー?」 ミケ/m17:「もちろん、雑用でもなんでもやりますんで!」 立花/r38:「こらそこ、勝手に決めるな!」 ミケ/m18:「姐さんの為なら火の中水の中!一生ついていきますぜ!」 立花/r39:「猫の舎弟なんていらないの!       あー、もう!私は普通の、妖怪のいない一人暮らしがしたいんだってばー!!」 慧士/k32:こうして日雀堂には従業員が増えたのでした。めでたしめでたし。 立花/r40:「めでたくないってば!!」 -------------------------------------------------------------------------------------------------- ※BGM+キャストコール 立花/r41:日雀立花・(キャスト名) 慧士/k33:日雀慧士・(キャスト名) はるか/h10:楠はるか・(キャスト名) 幸/a10:相原幸・(キャスト名) ミケ/m19:ミケ・(キャスト名) 桂/mk06:三浦桂・(キャスト名) 立花/r42:「日雀堂妖怪日誌 第二話。これにて終劇。 編集・脚本 さのや 製作・提供は「Homework+」でお送りしました!」 -------------------------------------------------------------------------------------------------- (※以下はテキトウに本編にくっつけると思われます) おまけ。次回予告「10分探偵キャビネ」 事件を10分で解決してしまう名探偵・その名はキャビネ。 モノクロームの街の時計塔を巡る謎、そして怪盗クロックキングからの予告状。 果たして名探偵と怪盗の戦いの行方は!? なお、物語は10分に収まるよう省略されることがあります。ご了承下さい。 ====================================================================================================